良くかむことについて

卑弥呼の歯がいーぜ

近年は柔らかい食べ物が増え、昔ほど噛まなくなっているそうです。

卑弥呼(邪馬台国)のいた時代は、1回の食事で平均3990回も噛んでいたと言われています。しかし、現代人は1回の食事で平均620回しか噛んでいないそうです。

 

良く噛むことは単に食べものを体に取り入れるためだけではなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしていおり、とても大切なことです。

 

噛むことの大切さを表現した標語が「卑弥呼の歯がい~ぜ」です!

 

ひ:肥満防止

肥満防止

 ・満腹中枢に対して食べ過ぎを防ぎます。

 食事から摂取した栄養素が分解され、血液のグルコースが増加します。すると、満腹中枢を刺激して、食欲が抑えられ、食事を摂るのをやめます。また、視床下部からホルモンが分泌されることによっても満腹中枢が刺激されます。

 

・噛むこと自体で、消費カロリーが増加します。

 

・噛むことで、交感神経系に作用してノルアドレナリンの分泌を亢進し脂肪細胞に作用して脂肪分解と脂肪燃焼が促進されます。

 

「よく噛むダイエット」なんていうのもあるくらいですからね~。

み:味覚の発達

味覚の発達

よく噛むと、食べもの本来の味が溶けだし、

より深く味わえるようになります。

できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。

塩分も控えめになって一石二鳥です。

人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。

 

幼い時から良く噛む習慣のあるお子さんは、知らず知らずのうちにいろいろな味を舌で覚えていきます。

 

季節のおいしいお野菜や、新鮮な魚など薄い味付けでおいしく頂きましょう。

こ:言葉(発音)の発達

言葉の発達

ものを食べる時には、唇の筋肉や顔の筋肉、舌の筋肉全てを使っています。

「噛む時にも必要あるの?」と思うかもしれませんが、ものを噛む時には、唇を閉じ、ほっぺたの筋肉や舌によって食べ物を歯の上に器用に移動させています。そのため全ての筋肉が必要になります。

(年をとると筋肉が衰えるために、食べこぼしをしたり上手に噛めなくなったりということがあります)

 

舌の筋肉というのは、言葉を発音する上でとても重要な働きをしており、よく噛んで食べることによって、舌の動きが上手になり、発音も上手になります。

また、唇や顔の筋肉も鍛えられ、顔の表情が豊かになり、若々しくなります。

よく、小顔エクササイズ!とかいって雑誌で紹介されていますよね。

よく噛むということは、知らず知らずのうちにエクササイズしているようなものです。

の:脳の発達

脳の発達

よく噛むことで脳細胞が活性化され、子供は脳の発達、大人は脳の老化進行の防止に繋がります。

 

脳内には、神経細胞の成長を促したり、神経の情報のやりとりを促すたくさんのホルモンがあります。

 噛むことによって、こうしたホルモンの分泌が増え、脳神経の発達と機能向上が促されます。結果的に脳神経が発達し、頭の働きを活性化します。

 また噛むことによる物理的な刺激により、脳内の血流量が増加し、神経細胞の代謝が高まます。毛細血管も拡張され、脳のすみずみまで酸素や栄養がいきわたり、脳を活性化します。

 その成果として、記憶力、集中力などが高まることが研究成果として報告されているそうです。

は:歯の病気(虫歯・歯周病)の予防

歯の病気の予防

よく噛むと唾液がたくさん分泌されます。この唾液が虫歯・歯周病予防に大きな役割を果たします。

 

唾液の効果

① 自浄作用

 口の中に残った食べカスや細菌を洗い流します。また、口の中を潤すことによって歯周病予防になります。

② 殺菌作用

 感染を予防する効果があります。虫歯も歯周病も細菌感染によって起こるため、これらを予防することができます。

され、口の中をきれいにします。また、噛むこと自体で、歯の表面の汚れは自然ときれいになります。

③ 緩衝作用(中和作用)

 酸性に傾いたお口の中を中和させ、虫歯を予防します。

 食べ物が口に入ると、食物自体や細菌の働きで口の中が酸性になります。酸性の状態が続くことによって虫歯になります。これを中和させる働きが唾液にはあります。

④ 石灰化作用 

 リン、カルシウムの働きで歯の修復(再石灰化)して虫歯を予防します。

 

虫歯予防にキシリトールガムを噛むのも効果的ですよ。

詳しくは、ハミガキネットキシリトールで虫歯予防

が:ガンの予防

がんの予防

よく噛むことで、発がん作用を弱めると言われています。

 

・よく噛むことで分泌される唾液の中の、ペルオキシターゼという酵素が、発ガン物質の活性を低下させます。

 

・野菜や果物を良く噛むことで出てくるビタミン類が発ガン物質の生成を抑制します。

また、野菜を良く噛んだときに出てくる繊維に発ガン性物質が吸着されて、消化管の粘膜から吸収されずに排泄されるようになります。

 

つまり、良く噛むことによる唾液と、野菜などを良く噛むことによって出てくるビタミン類、繊維類のおかげでがん予防になります!

い:胃腸の働きを促進・負担軽減

毎回言っていますが、噛むと唾液が分泌されます。

唾液には消化酵素が含まれ、食べたものを消化する働きがあります。

また、よく噛んで食べると、食べ物が細かくなります、食べ物が細かくなると唾液に触れる面積が増えて消化酵素とよく混ざり合います。

これによって口の中での消化が進み、胃や腸での消化がしやすくなるため、胃にも負担がかかりにくくなります。

また、噛むことで胃液が分泌され、胃腸の働きを促進します。

 

1口30回噛んで食べるのが良いとされていますが、胃腸の弱い方は、噛む回数を増やすことで胃腸への負担を減らせます。

ぜ:全力投球

全力投球

しっかり噛んで食べる事で、全身に力が入り体力や運動能力の向上に繋がります。

力を出して踏ん張る時には、人は奥歯を噛みしめています。

健康な歯がなければ何かあったときに力を発揮できません。歯周病の歯、虫歯だらけの歯など不健康な歯では力もでてきません…。

よく噛んで食べるために

よく噛んで食べfる

「よく噛んで食べなさい!」小さいころからよく言われたものですが、やろうと思ってなかなかできるものではありません。

そばはのどごしで楽しむなんてもいいますもんね。

一口30回噛むと良いとされていますが、楽しい食事の時に、回数なんていちいち数えていられません…(本気のダイエット中なら別ですが、)

 

現代人がよく噛んで食べなくなった理由は、やわらかい食べ物が増えたことや、食事時間をゆっくりとれないことにあります。

なので、よく噛んで食べるためにできることは、

よく噛んで食べるために

・食事メニューや調理法の工夫

メニューや調理法を変えるだけで噛む回数は変わります

 ハンバーグ < 霜降り肉 < 肉 < すじ肉

 野菜スープ < 煮野菜 < 温野菜 < 生野菜

 白米 < 玄米

 ロールパン < 食パン(耳の部分) < フランスパン

 りんごジュース < ゼリー < 煮たりんご < 生のりんご

 

硬さだけでなく、線維性や弾力性によっても噛む回数は変わってきます。繊維の豊富な野菜やごぼう、弾力性のあるこんにゃくやたこなどは良く噛まないと飲みこめません。(だからこそ小さなお子さん苦手な事が多いです)

よく噛んで食べるために

・食事時間の確保と環境の改善

「ながら食べ」はやめて、食事そのものを楽しむようなゆっくりした時間を確保するようにしましょう。