歯周病と全身疾患の関わり 「肺炎」

歯周病・歯槽膿漏と肺炎の関係

 
肺炎を起こす感染経路
①空気中の細菌が気道を通って肺に入り肺炎を起こす。

②歯周病菌を含んだ唾液が気道を通って気管支や肺に入り、細菌(歯周病菌)がそこで繁殖して肺炎を起こす。(誤嚥性肺炎/ごえんせいはいえん)


どんな人が誤嚥性肺炎を起こしやすいか?
歯周病があると歯肉からの出血や膿が出るため、口の中の様々な細菌が増殖しやすい環境となります。

「ムセ」や「セキ」という喉の反射で食べ物が肺に入るのを防いでいますが、高齢者や要介護者などの場合「ムセ」や「セキ」という喉の反射が起こらず、気付かないまま誤嚥していることがあります。

 

誤嚥することを前提として口腔内の細菌を出来うる限り減らす為の口腔ケアが重要となります。


①高齢者脳卒中を起こした方

寝ている間に少ずつ歯周病菌の入った唾液が肺に流れ込み、肺炎を引き起こす。

②認知症の方要介護者手術後

(体の抵抗力が下がっているため)誤嚥予防の対策


・口腔清掃(電動歯ブラシによる歯磨きや舌苔(舌の汚れ)を拭い落とす)が大変重要です。

・抗菌性洗口剤(コンクールF)を用いてうがいをする。

・食事中は30度~60度ベッドを起こす。(寝たきりで食べると誤嚥しやすい)

・食事の時間は30分ぐらいが適当。

・食べ物は液体状のものや細かい刻み食よりも、少し粘り気のあるゼリー状やペースト状のものが誤嚥しにくい。
 

 

肺炎の治療法
抗生物質で肺炎の治療をすることはできますが、高齢者や要介護者の方は抵抗力が弱くなっているので、肺炎が長引いてしまいます。

抗生物質の利かない耐性菌の感染を起こしてしまうと、命にかかわることもあります。